[氏名] 増田 康介

[現在の所属先(勤務先/大学、役職/研究科)]

東京大学大学院教育学研究科比較教育社会学コース 修士1年

[卒業年,所属(学群・学類名)] 2018年 筑波大学人間学群教育学類

[留学期間] 1 年

[主なプログラム活動]海外研修(バルト3国・10日間), インターンシップ(モスクワ日本センター),

経済フォーラム企画・運営(テーマ:ロシアにおける日系企業従事者の就労構造)

 

①現在のお仕事/研究について教えてください。

専門は教育社会学、比較教育学です。20世紀以降の先進国における福祉国家の発展と変容の中で規定される教育の役割・効果と課題、またそうした「福祉と教育」の交わりの中で、いかなる問題が生じてくるのかという問題意識があります。マクロレベルでは福祉・教育制度の国際比較を、ミクロでは国内の教育活動における両者の混ざり合いによって生じる特質や問題性、または先進的な取り組みをしている福祉のデザインを、定量的・定性的に検討していくことが私の研究テーマです。
ロシア・旧ソ連諸国とのかかわりでは、マクロレベルでの比較分析において旧社会主義国の福祉・教育制度への着目は非常に重要であるにも関わらず、あまり蓄積がないのが現状です。そういった意味で、従来の先進国の福祉・教育制度を相対化する意義が研究上はあると考えています。

聖ワシリイ大聖堂(増田君)

【モスクワ・聖ワシリイ大聖堂にて】

②プログラムに参加した動機と、今改めてプログラムに参加してよかったと思うこと/留学して良かったと思うことを聞かせてください(活動を通してどんな力がついたと思うかなど)

今振り返ってみると、「自分の中に何か劇的な変化を起こしたかったから」という一言に尽きると思います。大学2年生の時点から教育学研究に対する思い入れは強かったのですが、国内外の状況、産業や市民社会、政治空間など、広い世界への「目くばせ」があって初めて出来るバランスの良い教育への議論や実践に対して、自分が何も貢献できないことの限界を感じていました。そのような時にGe-NISプログラムの海外研修で、初めてバルト三国に赴いた際には、これほど可能性がある国々に対して、少なくとも自分は全く考えが及んでいなかったことを痛感しましたし、たとえそれほど英語やロシア語を知らなくても、とにかく飛び込んでみることが重要だと思いました。ロシアへの留学を実行して後に振り返ると、あの環境から学び取ったことはいくつかのポイントでまとめられると思います。

1:今まで住んだことのない未知の人々や世界に触れる中で、自分を際限なく振り返り、自分のアイデンティティーを確立できたこと。
2:自分が思っていることを主張し、相手に折り合いをつけてもらいながら分かってもらう力。それを臆せず実行する精神力。

ロシア語や英語への抵抗感は、こうしたことを学び取るうちに克服が出来たような感覚があります。もちろんたどたどしい部分はありますが、それでも自分の軸を持ち、言うべきことは伝え、常識など成り立たない多様な周囲の人たちの意見に耳を傾け、物事の本質を追求していくことに、留学前と比べて遥かに真剣になれたと思います。単純な「道具」でなく、日常の中で気づくことの少ない「言葉」の価値を自身にしみこませる。これはアカデミズム、ビジネスに関わりなく、生きとし生ける過程でありきたりでかつ極めて重要な、留学の中での学びであると思います。

 ③留学中一番思い出に残っているエピソードを教えてください。

モスクワ留学中に、国際フォーラムに参加するためにロシア中央部のトゥバ共和国を訪問したこと。 世界の大都市の空港といえば、整備された綺麗な空港設備や多くの人々を思い起こされると思います。ですがトゥバ共和国の空港は小さな建物が待合室としてあるだけで、周りはだだっ広い草地でした。降り立った時、自分がどこにいるのかという感覚を覚えたのと同時に、留学初期で不安が多かったのもありますが、「自分がどれだけ場所に決められて生かされているか」を感じました。普段は大都市間での移動だけで、その拠り所がなくなったとたんに自分の存在そのものに脆さを感じる経験は、自分自身を見つめる端緒になったと思います。

トィバ共和国空港(増田君)

【トゥバ共和国の空港】

④将来の夢(目標や挑戦したいこと)を教えてください。

まだ修行中の身ですが、大学院での学びを通じて国内外で活躍できるスキルを身に付けることが目下の課題です。さらに、座学のみならず、世界的な課題に対応する福祉や市民活動の活動に参加しつつ、自身の学びにPDCAをまわすことで、世界での課題に対応する実行力をつけていきたいと考えています。現在は、先進国で共通した「高齢社会」という課題に対応する産学官連携の活動に注目しており、これから本格的に関与していきたいと考えております。

⑤本学と本学の学生に対してメッセージをお願いします。

特に筑波大学で学ばれている皆さんにお伝えしたいことは、「留学するか迷っているならばまず挑戦するべき」ということに尽きると思います。対象国に関わりなく、または期間に関わりなく、旅行以外の目的で海外に赴き人々と世界と自分に向き合う経験は、必ず自身の強みになると思います。筑波大学は、海外に出る学生を経済的に支援する体制が充実しています。単位の互換性を高めるようにシフトして、留年せずに留学することができる学群もあると聞いています。留学は「金持ちと余裕のある人だけの特権」、「語学が出来る人の特権」ではなく、とにかく海外に飛び出してチャレンジをすることが奨励される。そのような環境が筑波大学であると思いますし、卒業生として、これからもそうあって欲しいと願っています。

モスクワ川(増田君)

【モスクワ川】

 

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