(前回:留学レポート(エストニア):「思考を映像化するプロセスPart 1」)
・なぜ、会社の重要な書類を使って気をひいたのだろう?
登場人物を確認してみます。
男性—なんの想像力を必要としないルーティーンをこなす会社員。
女性—おそらく仕事を探している。
そんな男性がある日、電車のホームで女性に一目惚れした。
話しかけようとするも、すでに女性は去っており、途方にくれる。
忘れようとするも頭から彼女のことが離れず、それでも仕事場に着き、窓の外を見ると、、、彼女がいた。
こうした経緯でした。
もし、あなたが主人公の彼なら、同じ状況でどうしますか?
まずは、同じように窓から声をかけてみます。
届きません。
しかし、そう遠くないところに、しかも向こうの窓も開いている。
見る限り、部屋には彼女と別の人もいる様子。
できれば、彼女の注意だけを引きたい。
と、目の前には“紙”がある。
もうこの瞬間には、彼の頭には会社のこととか、クビになるとか、そんなことは遥か彼方。ただ、退屈だった日々に一筋の光が差した。その光に触れたいと必死に手を伸ばした。
つまり、ただ彼女に恋をした。周りが見えなくなるくらい。
それだけ日常に飽きていたとも読み取れますが、純粋な恋心。
なんとか彼女の注目を引きたい。
そのためには、ざっと500枚はありそうな書類をすべて紙ひこうきにすることなんてお茶の子さいさい。
きっと、毎回飛ばすごとに、
この思いを届けてくれ!
と願っていたのでしょうね。
・なぜ、白黒なのだろう?
2009年にアバターが公開され、3D映画の火付け役として大ヒットしました。
このPapermanは2012年に公開されたもので、その頃は3D映画がブーム。そのなかで、2Dのしかもモノクロ映像は新鮮に映ったでしょう。
さて、この疑問に対する答えとして、
映画を通して、唯一色のある彼女のキスマークへ関心を寄せるため、
と真っ先にこれが思い浮かびます。
逆にこのキスマークが白黒だったら、彼女の魅力は半減ですね笑
ところで、二人がいる場所を探ってみましょう!
ズバリ、マンハッタンです。
今ではそう感じることは薄れてきましたが、少し前まではマンハッタンといえば世界の中心であるニューヨークの中心です。
何が起こっても不思議ではない。
想像しうることはすべて現実に起こりうる
まさに、Disney打ってつけの場所。
白黒の理由は、新しい潮流、映像の迫力に対して、もともと映画が持っている映像美、ストーリー展開、キャラクターの魅力で対抗するいわば警鐘なのかもしれません。
個人的には、
電車のホームで書類が風に飛ばされ、女性のキスマークがつき、男性がそれを取り上げ、笑うシーンで、その書類が婚姻届のように見えます。カラーなら素通りしていたでしょう。
・なぜ、魔法のようなありえないことがおきたのだろう?
もうおわかりですね?
思いを乗せた紙ひこうきがその思いを届けた。
です!(魔法ではない。比喩。)(筆者の解釈)
さて、地図を元に、旅をしてまいりました。
皆さんは、どんなメッセージを受け取りましたか。
ぼくが受け取ったメッセージは、
-CONECTION-
です。
世界中の人々がすれ違う都市。もし、彼らと接点を持てたのなら、きっと新しい世界が広がる。それこそウォルト・ディズニーが描いたように。そして、そのためには純粋な冒険心と少しの勇気が必要だということ。
ちなみにCONECTIONには、
・接続
・関係 の他に
・姻戚関係(≒結婚)
・飛行機などの接続、乗り換え
などの意味もあります。
お粗末様でした。
余談
・基本登場人物は画面の中央には来ません。これは三分割法と呼ばれるルールに則っています。ですから、同一画面に二人以上が移る場合、多くは3分割ラインにいる(中心でない)方がキーパーソンです。
・画面中央に来る場合は、何かしらの意図があります。例えば、 動画の1:20の場面では見事に男性の喪失感が表されています。(写真撮影などの参考に)
・授業では、最初と最後のシーンに関係を持たせるようにと習いました。0:36秒で彼女が紙を追って登場する場面は、その後の紙ひこうきを追うシーンを彷彿とさせます。








