遅ればせながら皆様新年あけましておめでとうございます。
毎度拙文に目を通して頂き、大変恐縮に感じると共に、ますます精進していきたいと思っております。本年もどうぞよろしくおねがいします。
ヴィリニュス大学に交換留学中の神長です。
今回は、1月13日に開催されました在リトアニア日本大使館における新年会について、まさにレポートしたいなと思います。
昨年の12月上旬にEメールにて大使館から招待状を頂きました。“招待状”と仰々しく書きましたが、外務省に在留届を出している留学生は全員招待されますので、なんらすごいことはしておりません。
なにぶん招待状を受けて参加する公式の祝賀会は初めてでしたので喜んで飛びつきました笑。
当日は18時開場で、大使館のスタッフを含め30名弱の参加でした。
参加者は日本学科のリトアニア人学生さん、そのOBOG、こちらにて生活していらっしゃる日本人の方々(ダンサーやオーケストラ団員といった芸術分野の人が多かったです。あとは事業をなさっている方、妻として生活している方など)、そして、ぼくら留学生(ヴィリニュス大学からはぼく1名。残り2大学からもう3名)。
周りと比べるとモダンな鉄筋でできた建物の1階で受け付けを済ませた後、エレベーターにて5階へ。重厚な木でできた扉を開けると、アイボリーの絨毯にニスの効いた木の小タンス、その上に火鉢と南部鉄器の急須。奥に佇む金色の屏風が出迎えてくれました。
久々の日本風情に思わず息が漏れました。
(写真撮影はご遠慮くださいとのことでしたので、ご想像いただけると幸甚です。)
そして、振る舞われた日本酒、岩手の南部美人!
福島の会津の酒蔵を巡った経験もあるほどぼくは日本酒が好きなので、嬉しかったです。
余談ですが、リトアニアでは2013年より福井県鯖江市の加藤吉平商店さんの「梵」という名の日本酒が進出しており、現地のワインセーラーで購入できます。「南部美人」は近々リリースするそうです。
さて、1口味わったところに、なんと大使閣下が話しかけてくださりました。とても気さくな方で、、、かくかくしかじか。。。続きは後ほど。
スパークリングワインを片手に閣下の挨拶の後、乾杯音頭。そして、おせち料理をごちそうになりました。
では、ここからは少しコアな話を。
参事官のお話
皆様リトアニアの伝説的外交官「杉原千畝」の映画はご覧になられたでしょうか。こちらでは、10月に先行上映としてカウナスとヴィリニュスで2度放映されました。映画自体は日本語と英語。リトアニアの字幕付きです。杉原千畝に関しては、改めてここで述べることはしないのでご存じない方は調べていただきたいのですが、実は参事官のお話によると直接恩恵を得た方はリトアニア人よりも圧倒的ポーランドから逃れてきたユダヤ人の方が多いのです。実は、ロケ地もポーランドです。
何を隠そうヴィリニュスにはユダヤ人強制居住地区であるゲットーがかつて存在していました。ソ連による占拠への反対からナチス政権に一部協力していた歴史があります。そういった経緯から先行上映時にはリトアニア語の字幕がついていましたが、こちらでの公開はないそうです。お客さんの関心が低く、商業的に成立しないためです。カウナスにある杉原記念館も来場者の9割は日本人とのことです。
かなしいかな。杉原千畝のことを話題にしているのはほぼ日本人しかいないのです。歴史というリソースを十分に活かしきれていない現状がここにあります。大使館サイドもそれではまずいと、去年より「命のビザ」と称し、ヴィリニュスの学校教育でのプログラムを導入しました。継続していきたいとのことです。
大使閣下のお話
閣下「体調は優れているかね?」
私「はい、おかげさまで。3日に1度ジムに通い、鍛えています。」
閣下「それはいい。たしか6月にカウナスでマラソンがあってな、走れるか?」
「できるか?」と問われて「できない」と応えることはぼくの辞書にない。
私「はい、できます。」
閣下「それは頼もしい。日本人での参加者がおそらくいなくてさびしくてな。ゴール直前で日の丸渡すからぜひそれを掲げてゴールしてくれ。」
ちなみにフルマラソンの経験はありません。まさかの人生初マラソンが留学先となりそうです。しかも、国旗を背負ってです。望むところです。
私「ありがとうございます。人生初のマラソンですが、これから練習し、這ってでもゴールはします。よろしくおねがいします。」
閣下「いい気概だ。頼んだぞ。」
私「はい。」
国際舞台での日本のプレゼンスが低下しているという。かつての経済力は失せ、中国に取って代わっていると懸念されている。確かに先人たちの功績は偉大で、留学先、旅先でも日本人というだけで恩恵を受けることは大きい。しかし、私は思う。かつてのプレゼンスは人口ボーナスにあやかってちやほやされていただけだと。今の中国だってそうだ。お金持ちにたかる取り巻きへの影響だったに過ぎない。
資本主義経済が限界を見せている。技術発達、改善を続けてきた結果、人を雇用することがなくなるという皮肉な結果を招いている。現行の大量生産、消費社会は人口ボーナスに依存してきた。戦後の日本、中国、現在の東南アジア、そして最後と言われているアフリカで終わりがくる。そのアフリカだってインドやロシアと同じように単なる幻想で終わる可能性もある。
では、世界はどうなるのか。私は原点に戻ると思う。人は人らしいコンテンツに価値を移行し、対価を払うようになる。人らしさとは機械や人工知能で生産できないもの。失敗や挫折、それに立ち向かうひたむきさ。要するに物語のことだ。
だから、私は走ろうと思う。
何がなんでもゴールしてやる。
ちやほやなんて待っちゃいられない。図々しくも日本国旗を手に持ち踊り出てやる。
世界を相手にするとはこういうことだと思う。
運命も未来も扉を叩くようなものだ。








