調査動機:
ぼくは現在リトアニアにいるもののリトアニア語を履修しているわけではなく、かつ常時リトアニア人と行動を共にするというものではないので地の利を活かしきれていない状況です。それでは、せっかくの機会がもったいない、なおかつもっと彼らのことを知りたいと思ったので調査することに決めました。

調査方法:
インタビュー方式(すべて英語にて)(なお、レポートとしては筆者が日本語に翻訳したものを載せています)。対象はヴィリニュス大学生、教授に限定。

基本質問事項:
1 「他のヨーロッパの人々と比べてリトアニア人とはどのような特徴がありますか」
2 「週末は何をして過ごしていますか」
3 「日頃何に不安を感じますか」
4 「リトアニアは将来どのようになると思いますか」
5 「ロシアはどのように感じますか」
6 「リトアニアにとって最良のパートナー国はどこですか」
7 「リトアニアでガイドブックには載っていない有名事項はなんですか」
8 「将来どの国で働き、また暮らしたいですか」
9 「日本について知っていることを教えてください」

本レポートの様式:
質問ごとに回答を羅列。そのあとにその質問・回答について筆者が思うことを述べ、全体を俯瞰した考察を後述する。

1 「他のヨーロッパの人々と比べてリトアニア人とはどのような特徴がありますか」
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・「普段はのんびりしていて、働きたくもないって感じだね。ただ、異文化については開放的で理解ある方だよ。他のヨーロッパの人と比べるとふさぎ込みがちかもしれないけど。民族を形作るアイデンティティみたいなのはまだないね。ロシアからの独立以降それをなんとか形成しようとはしてるけど。独立前と後でどれくらいぼく達が変わったのかという印をね。」
・「お酒をめっちゃ飲む。問題でもあるけど。伝統なんだろうね。たぶん、ソ連時代の気晴らしで多く飲んで耐性ができたんだと思う。」
・「歩くのが速いわね。あと、物をあまり持たない。そして、どちらかというと愛想は悪いわね、外国人に対して。」
・「ステレオタイプは、ノットフレンドリーで冷たく、悲しげな表情。あまり礼儀正しくはないわね。実際も、あまり知らない人に対して感情を示すことはないわ。これらはある程度は正しくはあるけど、真実ではないわね。私自身いろいろ旅したけど、他の国もこういう傾向は大なり小なりあった。人によるけど、そういう人は多いかもね。そういうこともあって、留学生はリトアニア人と関わることは少ないね。」
・「比較的、複雑な性格だね。シャイだし、保守的で自分自身もあまり信用しない。でも、だから一度本当に仲良くなるとその仲はずっと続くよ。表面的なものではなくてね。だから、初対面の人でも誠実に当たることが重要だよ。」
・「内向的でどちらかというと暗いわね。言語化するのが不得意なのか、自分がどう感じているのかを言葉にしたり、ストレートに表現するのが苦手。あとは、ポーランド人と似ているわ。私ポーランド系リトアニア人だからわかるの。お互いが似ているから、お互いのことあまり好きでないわね。」
・「我々の性格は歴史によるね。昔はヨーロッパ第二の大国を誇り、現在は小国とかし、占領も経験した。おごることなく、控えめな性格だと思う。」

  実際に彼らと話てみて、あるいは生活してみて性格的には日本人に非常に近いと感じます。自己を表現するのが苦手で、どちらかというと静かで、同人種で固まりやすい。しかし、異なるのは日本人のそれは気候や土地などの風土によるところが大きいが、リトアニア人のそれは歴史によるところが大きいということ。50年に渡る占領の後遺症は傷というよりは、皮肉にももはや性格を司るアイデンティティとなっている面があるのだ。

2 「週末は何をして過ごしていますか」
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・「通常は家族と過ごし、たまに友人と買い物や飲みに行く。」
・「近隣諸国への旅行を今計画しているよ。」
・「サイクリングとかジョキングとか、私の中での小旅行。」
・「怠け者だから寝てるわ笑。あとは、友人とあったり。でも、6時間は勉強するように努めている。」
・「笑。ぼくは学校に行くことは好きで行っているわけだから、学校に行く平日も週末も自由な時間という意味では同じなんだ。一般的には、飲みに行ったり、映画見たり、本読んだりしてるよ。」
・「うちでゴロゴロ。あと最近はドライブがマイブーム。」
・「ガーデニング。あとは、家族で過ごすね。スケートも好き。」

  自分だけかもしれないが、リトアニア人と比べると日本人は家庭、家族を大切にすることはない。自分自身の恋人を自慢したり、夫なら妻を、母親なら子を人前で褒めたりしないことから比較的そうだと言えるだろう。こちらでは、そんなことはない。町中に行くと日本人としては見るのも恥ずかしいほどのラブラブなカップルがあふれている。これはリトアニア特有というわけでなく、ヨーロッパ全土に通じることではあるが。最初のうちは、見るごとに嫉妬を抱いていたが、まあ今は憧れですね。でも、いざそうなってもできない気がします。

3 「日頃何に不安を感じますか」
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・「一般的には、大きな社会変革とロシア、非リトアニア人の増加。個人的には、ロシアからの
圧力。経済やら領土的、精神的のね。」
・「経済とか。徴兵制の復活とか。」
・「大方、そして私自身も人口流出が気になるわ。」
・「お金と健康。よく話題に上がるわ。あとは、ロシアとの戦争や紛争を恐れている。ウクライナのこともあるからね。歴史的関係も悪いし。」
・「ロシア。過度に強調されているけどね。原因は政策だろう。人々はいい人が多いと思う。個人的には母親の関係でロシアについては詳しいから、素晴らしい国だと思ってるよ。」
・「個人的に叱られることが怖い。誰からも抑圧的な扱いは受けたくないのよ。若い人は復活した徴兵制が不安だろうね。」
・「ロシアとの関係。もともと領土としては共有していたウクライナ、あるいはシリアがロシアと紛争を起こしている。同じ歴史を共有するものとして次は我々ではないかという恐怖は常にある。現に少し前までロシアに占領されていた事実もあることだし。」

  圧倒的に不安の対象はロシアである。特に特筆すべきは最後のインタビュアーの回答であろう。漠然とロシアを恐れていることは知っていたが、それが現代社会情勢も反映していることまでは気が付かなかった。両隣のご家庭に強盗が入ったといった感じであろうか。次は自分かもしれない。しかも脅迫状(ロシアの政策、サイバー攻撃等)もつきつけられている。いくらアルソ○ク(NATO)に加入しているからといって、支援までにはタイムラグがあるから怖いのだ、と考えれば納得がいく。

4 「リトアニアは将来どのようになると思いますか」
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・「正しい選択をすれば今以上にEUでの立場は上がるだろう。ポーランドがいるから東欧のリーダーとはなれないだろうけど。」
・「アジアで言うシンガポールかな。」
・「今とあまり変わりないわね。」
・「地理的重要度は変わらないでしょうね。EUにも残り続ける。」
・「このままの成長率が続けば、あと再び領土を占領されるなんてことがなければ、かなりいいと思う。やっと貧しさから抜け出せる。モデルとしてはフィンランドだね。」
・「EUが崩れるとしたら、リトアニアも崩壊するわね。経済的援助を多く受けているから。確率は直感的に6割。そうならないことを願うけどね。」
・「1939年に”リトアニアの未来”という雑誌が刊行された。戦争が起こる一年前だ。それには戦争のことは書いてなかった。だから、未来について語ることはしないんだ。でも、仮に考えてみると、今はNATOの一員だからそういうことはあまり起こらないだろう。」

  控えめな予測である。やはり歴史的背景がそうさせているのだあろう。「ノミとコップの話」ではないが、もっと野心をもったほうが国も明るいのではなかろうか。大きなお世話か。ただ、旧市街の街頭をもう少し増やして、物理的に明るくなるところからスタートしてほしいと切に願います。

5 「ロシアはどのように感じますか」
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・「軍事政策など今やっていることは気に入らないね。全体的にも嫌い。いいところが見つからないね。」
・「若い世代だから偏見とかはないよ。中立的。飲み友達ってとこかな笑。」
・「私はおおらかだから、あまり過去のことは気にしてない。」
・「知っている人たちはいい人よ。でも、政策とかは良くないわね。だからといって、ロシア人に偏見はないわよ。国にはあるかもしれないけど。」
・「ロシアとロシアの政策とを区別する必要がある。人々、文化などは素晴らしい。レジームや政策は良くない。だから、正しく物事を理解した上で見る必要がある。」
・「ロシア軍による侵略が怖いわ。ニュースでも爆弾を仕掛けたとか流れているし。外国人がリトアニアでロシア語を勉強することは奨励するわ。関係が何であれ、敵の様子が知れることは何時の時代もいいことだから。」
・「人と交流することと、国家単位で交流することは違う。前者なら抵抗はまったくない。」

  歴史を引きずってはいるのだが、国と個人とはきっぱり境界線があるようである。もちろん、町中にいけば若者以外に英語は通じず、リトアニア語かロシア語であり、ロシア系の人もいるから個人で意識していたのでは日常生活に支障をきたすためであろう。ロシア語ができるおかげで、ロシアで仕事を得ている人もいるからかもしれない。しかし“歴史”と称したが、それは現在進行形のことであるということは気をつけなければいけまい。

6 「リトアニアにとって最良のパートナー国はどこですか」
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・「実質的にはアメリカかな。軍事サポートとかを受けているから。軍事キャンプもあるし。ちなみに、嫌っているのはポーランド。歴史を背景に領土を主張しているし。いや、主張じゃないね。要求している。(ソ連の独占以前、首都のヴィリニュスはポーランド領であった。)」
・「バルト三国だね。ソ連からの独立とかで協力し合ったし。」
・「バルト三国、とりわけラトビア。」
・「ラトビアとはシスターと呼び合う仲よ。大国ならドイツ、比較的に近いからね。」
・「昔はポーランドだったけど、最近は関係は良くないから、ラトビアだね。エストニアも仲いいけど、どっちかというとフィンランドにべったりだね。」
・「精神的なつながりという意味では韓国とか。占領された歴史を共有しているからね。」
・「歴史的にはポーランド。政治的にも。経済的には中国。精神的にはジョージア(グルジア)かな。」
・「社会的にはラトビア、エストニア。ポーランドとは歴史を共有するけど友好的ではないね。むしろ、関係は悪い。」

  ポーランドとは現在険悪の仲だということはこのインタビューを行う以前は知らなかった。なんとなくポーランド・リトアニア公国という共通の誇るべき歴史があるから仲が良いのだとばかり思っていた。日本ではバルト三国といってエストニア、ラトビア、リトアニアはどれも同じという印象を受けるがエストニアは語学的にもフィンランド圏に属し、お互い母語は違うもののなんとなく理解できる関係である。加えて、両国ともにIT産業がさかんであるため貿易や人の往来も激しい。バルト三国というが、エストニアは別といった感じなのだ。できれば、同じ質問をラトビア人にしてみたい。どうか片思いではありませんように。

7 「リトアニアでガイドブックには載っていない有名事項はなんですか」
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・「とりあえず、アルコール中毒者の数。あとは、レーザー技術。水泳女子の若い選手。」
・「日本と同様に自殺率が高いこと。」
・「バスケットボール。レーザー技術。」
・「歌とかハンドクラフトとか?自然も素晴らしいわよ。」
・「レーザー技術かな。」
・「自殺や鬱が多いこと。(「高いのはどうして?」)ー経済的に貧しいから。ユーロ導入により物価だけ上昇し、賃金が変わらないから。(厳密にはこれは正しくない。ユーロ導入は2015年1月であり、高い自殺率は往年のことである。)あとは、内向的だから自分のうちの葛藤を人に打ち明けないでとどめてしまうから。」
・「湖が多いことかなー。」

  正直な感想を漏らすと、もう少しあってもいいだろーと思う。デートでもチェーン店のカフェに入り浸るというのが一般だから、あまり自分たち(街)についての好奇心は低いのかもしれない。ちなみに、旧ソ連圏は2人で3回ほどお茶したなら、それはもはや恋人という心づもりらしい。カフェでいいなら、勉強という名目で。。。

8 「将来どの国で働き、また暮らしたいですか」
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・「英語圏がいいね。言語的に。あとは、日本かな。コンピューターサイエンスを勉強しているから。」
・「英語圏で多文化国家。」
・「デンマークかドイツ。ドイツ語が好きで勉強しているし、少し理解できるから。あと、あの辺りの旧市街が好き。」
・「ニュージーランド。牧草地であまり人に会わなくて、のびのび過ごせる。」
・「永住はリトアニアだね。家族も友達もここにいるから。仕事は西欧がいいな。」
・「日本(日本学科の人)。日本以外としたら、リトアニアかポーランド、親しみがあるから(ポーランド系リトアニア人)。」
・「リトアニアだね。ぼくにはここの気候は快適で過ごしやすい。」

  はい。これが人口流出の実情です。最後の回答は教授なので、ほとんどの若者は外国での暮らしを所望しているとなります。もちろん、対象がヴィリニュス大学の生徒で国内で最も優秀だからその力がある、ということが理由の1つということもあるでしょう。しかし、仮に天下の東大でもここまで海外志望の人はいまい。複雑なのは、“だから”人口流出は比較的セーフだねってところか。しかし、昨今の特にIT分野での人材流出は残念なほどであるので、日本もうかうかはしていられない。

9 「日本について知っていることを教えてください」
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・「礼儀正しく、年配者を敬う。これはいいね。しかし、勉強に時間かけ過ぎな気がする。もっと他に成し遂げるべきことはたくさんある。あと、人と違うことをすると周りから冷たい目で見られることもいいね。こっちは自分勝手な人が多くていらいらすることがよくある。リトアニアの高齢者はガーデニングが好きだから盆栽もこっちでは人気あるよ。」
・「アニメ。あと、桜が好き。」
・「車のメーカーが多いわね。あと、電化製品。寿司が好きよ。人々は賢くて、伝統を重んじる。外国人には冷たいけど、その状況は改善しつつあるわね。日本大使館の尽力で日本に関する行事が多いのよ、ここヴィリニュス。」
・「問題が起きるとすぐに解決策が出てくる姿勢が好き。労働時間とか解決しないといけない問題もあるけどね。あとあれ、痴漢対策車両。問題となりうる男性を締めだしちゃうなんて面白い。外来語がカタカナもいい。漢字だって中国のでしょ?でも、それらを自由に輸入している。文化をカテゴリーで分けて、吸収しやすい仕組みなんて惚れ惚れする。」
・「協力的。人口密度が6倍もリトアニアより高いのに、よくやっているからね。
・「いろんな自然、それらが豊かであることが好き。」
・「漢字が好きで個人的に勉強してるよ(後述に続く)。」

  日本大使館があるおかげで、ここヴィリニュスでは日本についてのイベントが多いです。ちなみに話題の中国や韓国のイベントはほぼない状況です。韓国に関しては大使館が存在しません。その差が、こうしたイベントの差となり、ひいては国のイメージの差にもつながってきています。

おまけ
「リトアニアに美人が多いのはなぜですか」
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・美人というわけではないの。街に行く際に、自分自身がプレゼンテーションのように外見を整えて行くの。だから、ケアがうまいってこと。ちなみに、大学はホームという感じだから皆手を抜くわよ笑 あと、肥満の人は少ないわね。

「クール・ジャパンと聞いて、何をイメージしますか」
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・POPカルチャーとか輸出しやすいもの。飲み物以外の自動販売機。変なアイデアだけど機能しているもの。
・ポスターにあったら新幹線。(笑)

「クール・ジャパンの例となぜそう思うのか教えてください。」
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・漢字。いくつかの漢字って象形文字でしょ?つまり、物事の形を容している。ぼくは読めない漢字はたくさんある。けれど、不思議とこう眺めているとなんとなく意味がわかったように感じるんだ。これってすごいことじゃないか。ぼくは他にロシア語、ドイツ語、フランス語なども話せる。でも、見た目で意味が予想できるなんてことはない。もちろん、意味は違うかもしれない。けれど、知らない人に対しても排他的になるのではなく、意味の解釈を与えようという余裕がクールだね。

NHK COOL JAPANという番組をご存知でしょうか。ものすごく面白いのでぜひお時間ございましたら見てください。

「カラオケ」っていつの間にかこれほどまでに進化してたんですね。ちなみに、ヴィリニュスにもカラオケはあります。パブの舞台にマイクが一本、皆の前でステージで歌うというスタイルです。クールでしょ??

ぼくは映画・映像作成に興味があり関心があります。なので、現在のアニメを除く邦画の現状はかなしいものです。こちらでも日本人映画監督黒澤明は超有名です。あるいはタイトルで言うと「東京物語」なども有名です。というより、これくらいしか知られていません。最近の映画に関してはさっぱりです。アニメ映画は元気なんですけどね、すっごく。

なぜかなーと考えてみたんですが、やはり漫画やアニメなどのソフト文化が果たす役割が大きいからでしょう。「コマ画といえば日本!」といったイメージがあるのだと思います。反対にピクサーが得意とするCGアニメーションは日本は弱いんですけどね。

そういうこともあって、経済産業省の「クール・ジャパン戦略」は関心があります。おまけの質問内容はこういう意図でした。

「クール・ジャパンとは何か。クールと呼ばれる本質は何か。」

インタビューや回答を得て考えてみました。

前提として、日本という国は非常に意味深な国です。伺わしい、なんじゃこりゃ、こちらの常識が通用しない、といった感じです。わけわかんないんですね。さらに、そのわけわかんない人たちがすごく真剣に、しかも楽しそうに、口を開けば皆が同じことを言う。

例えば「I LOVE KARAOKE」。「What’s KARAOKE? I know and we have KARAOKE in my country, but not so popular. WHY!? Why are they so crazy about KARAOKE!?」

わけがわからない。しかし、彼らはものすっごくエンジョイしてる。それを外から見ているのは悔しい。とりあえず、それが何なのか知りたい。やってみたい。あ、意外にお手頃。

そして、やってみると「ここまでカスタマーのことを考えて作られているの!?何この(無駄な)テクノロジー!?おもしろい!!」とはまる。

カルチャー(文化)というものがあります。これは長い歴史が生み出し、蓄積してきたものです。サブカルチャーというものがあります。これは個人や仲間内で自分たちのために愛でて、育て、作り上げたものです。一部はそれがサークルを超え、広く世の中に受け入れられたものもありますが、思うにクール・ジャパンの1つの条件として、このサブカルチャーであることが挙げられます。

何をアタリマエのことを

と思うかもしれません。しかし、このことはクール・ジャパンであるための条件にとどまらず、クール・ジャパンとして世界に広まるための条件でもあります。

すなわち、外国の地で同じように愛でる人がいてはいけないのです。もし、その地で似たようなものがあれば現地の人は自分たちのサブカルチャーを支持するでしょう。これには、敬意を払わなければいけません。押し売りではいけません。

さて、彼らに愛でてもらうためには珍しいだけではなく最低限もう2つのファクターが必要です。手軽さと、使い手への思いやり、または圧倒的な技術力です。後者は簡潔に述べると感動するかどうかです。

これら3つが結晶してクールと呼ばれるのだと思います。

しかし、ここで改めて考えてみますと、クール・ジャパンとはジャパンがクールに有利であるだけであって、決してこのクールが海外にもないわけではないのです。

有利な理由としては、「1、サブカルチャー」は日本が島国、鎖国もあいまって独自の風土に根ざした文化が生まれやすかったこと。「2,手軽さ」は小動物を慈しみ、ミニチュア化を得意とし是とする国民的性。ちなみに、ミニチュア化が得意なのは箸の文化が大きいと思います。5人組制度など「和をもって貴しとなす」政策が「思いやり」の形成、同じく器用であることが「技術力の高さ」のそれぞれの主な要因です。

クールジャパンが開始したのは2010年です。ちなみに、このNHKの番組のキャスターである鴻上さんの著書「クール・ジャパン?」によるとクール・ジャパン ベスト20は順に

洗浄機付き便座
お花見
100円ショップ
花火
直品サンプル
おにぎり
カプセルホテル
盆踊り
紅葉狩り
新幹線
居酒屋
富士登山
大阪人の気質
スーパー銭湯
自動販売機
立体駐車場
ICカード乗車券
ニッカボッカ
神前挙式
漫画喫茶 です。

*回転寿司、カラオケ、インスタントラーメンなどは大阪で生まれたので「大阪人の気質」としてカウントされています。

なにも最新のものではなくて、今まで存在したものに「クール・ジャパン」という称号を与えただけであって、どんどん「クール・ジャパン」を生産しているわけではないのです。

では「どうやって“クール・ジャパン”プロダクトを新しく作るか」

ぼくは、はっきり言うならば、クール・ジャパンから“ジャパン”を取り除くことだと思っています。なにも日本にとどまったり、日本人に限定する必要はないのです。上の定義に従えば、“クール”は世界中にあふれています。クール・フランスがあり、クール・イタリがあります。ロンドンの紳士文化は超クールだと思うし、エストニアのことわざ「笑顔が最後の味付け」を体現したエストニア人の接客態度はクールないしキュートです。

そんな彼らと新しいクール文化を作ればいいんです。

ハリウッド映画を例に取りましょう。監督、スタッフはアメリカ人(ないし白人中心)、キャストは最近ですと中国人が増えてきました。これはコラボレーションとかではなく、単に市場の問題、中国市場を狙うならば俳優陣に中国人がいないと中国人は見ない、という切実な理由があるわけですが、本当に世界中で通用するいい作品を作るという観点、愛でて、育み、つくり上げる精神に順ずればSO COOLと呼ばれるのです。日本需要だけで食べていける、ドラマの続き、漫画の実写版などすでにある程度の潜在的ファンがいて、そこそこ売れればいいやというハングリー精神の欠如状態の現状では、こういったことには蓋をするのでしょうが、それではもはやカウントダウンの国内重要の暴落の嵐の中を生き残ることはできません。

いいものを持っている、たった1つでもプロフェッショナルと呼ばれる技能がある。

それがあれば、世界中で、世界中の人たちと超クールなプロダクトづくりができるんじゃないかって考えています。そんな超クールな生き方をしたいです。

終わりに

改めて日本の3000年の単一民族による統治、それが育んだ文化ってすごいですね。上のリトアニア人のように過度に歴史に縛られている人たちを見たら、皆さんはなんて反応します?「そんな昔のことは気にしちゃいけんよ」と声をかけることができますか?おそらく、これが自然にできるのは日本人くらいな気がします。ぼくもそう声をかけてきました。だから、対立もしてきました。

「いいかい、今の世の中の時流を見てみよ。そんな過去のことなんてお構い無しで待ったなしの変革の時代がくるんじゃー(筆者)」といって、歴史と現在のリンクを否定してきました。去年の秋まで。いつしかそうした歴史の軽視がアイデンティティの軽視、ひいてはその人自身を軽視することにつながるのではないかと思い直すようになりました。もっと深く、彼らのことを知りたい。そう思ったのがインタビュー実施の動機です。

メモを取るのが億劫だったので、全てボイスレコードしてあるのですが、自分の英語力ひどいったらなんの。発音は日本人だし、たどたどしいし、聞いてて不快でした。これに関しては、

こんなはずじゃなかったが本音です。

それでもリスニング力はついてきました。相手の話を引き出す会話力の実践も英語でできるようになってきました。今日の即興プレゼンでも受講生の中では最も面白い話ができたと自負しています。英語での会話も、やっと苦ではなくなりつつあります。発音と、スラスラとセンテンスが言えることを除いて。これが今の自分です。

インタビューは最短で10分、最長で60分、平均37分くらいでした。事前にテーマを決め、質問事項を用意しておけばこれくらいの英会話ができます。インタビュアーのうちほぼ初対面の人が3人。日本語だって40分会話を続けるのは結構難しいです。でも、できました。

できたといってますが、蓋を開いてみると僕なんて5分も話していません。3分くらいでしょうか。はっきりいってそれくらいが限界です。だから、聞くのに徹していました。話せなくても、これで会話は成立します。聞くのに徹しているので、終わった後、相手も気持ちがスッキリしていることが多かったです。自己表現が苦手な国民が35分ほど話すわけですから、終了後一気に距離が縮んだようでした。いや、会場としてカフェが多く、ごちそうしていたのでそれが大きかったのかな。

いずれにせよ、皆さんも周りの人を捕まえて
 
「君の国のことを教えてよ!」ってカフェにでも誘ってあげてみてください。

クールでしょ?

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