「教えて!君の国!」ーラトビア人10名に聞きました!

国際総合学類 神長広樹

 

調査動機

前々回のレポート、リトアニア人とはどんな人たちですか?」ーヴィリニュス大学の方人に聞きましたがおかげさまで好評を博しました。ありがとうございます。そして嬉しいことにリトアニア人にも感謝をされました。彼ら小国の国民からすれば、日本のような大国に知れること、相互理解が深まることはすごく嬉しいことのようです。ならば!ぼくがこの地にいる間にやるべきことの1つはこのことではないのか。そう思ったので3月終わりのイースターホリデー時にラトビアまで行ってきました。個人的にもバルト三国の国民性の共通点と相違点に興味がありました。

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調査方法

インタビュー方式(すべて英語にて)(レポートとしては筆者が日本語に翻訳したものを載せています)。インタビュイーは

・日本語学科の友人

・ヴィリニュス大学に交換留学に来ていた友人

・その友人の知人 です。

 

ただし、インタビューは合計10人と行いましたが、後半の4人と2人はまとまって行ったので、回答は必ずしも10個ではありません。

 

 

基本共通質問事項

1 「他のヨーロッパの人々と比べてラトビア人とはどのような特徴がありますか」

2 「週末は何をして過ごしていますか」

3 「日頃何に不安を感じますか」

4 「ラトビアは将来どのようになると思いますか」

5 「ロシアはどのように感じますか」

6 「ラトビアにとって最良のパートナー国はどこですか」

7 「ラトビアでガイドブックには載っていない有名事項はなんですか」

8 「将来どの国で働き、また暮らしたいですか」

9 「日本について知っていることを教えてくださいor日本に期待することはなんですか」

10(new!) 「今欲しい物はなんですか」

11 (new!) 「“クールジャパン”と聞いて何を連想しますか」

 

なお、適宜トピックや得られた回答を軸に時々で追加の質問も行いました。

 

本レポートの様式

質問ごとに回答を羅列。そのあとにその質問・回答について筆者が思うことを述べ、全体を俯瞰した考察を後述する。

 

 

1 「他のヨーロッパの人々と比べてラトビア人とはどのような特徴がありますか

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・「まあ、イタリア人などと比べると内向的で同人種で固まりがち、フレンドリーさには欠け、他人をそう信頼することもないわね。でも、異文化には興味を持っているよ。それに、同人種で固まりがちなのはラトビア語がラトビア人にしか使われていない、そのことが生じる心の壁があるんでしょうね。ー(ラトビア人同士でもあまり信用しないのですか?)ーそうね、私達は家族を大切にし、また家族内で“固まる”の。家族が単位ね。他の家族と交流は難しいのよ。なぜだかわかる?例えば私はロシア語話者の家庭で生まれた。でも、彼氏はラトビア語話者の家庭。最初は私のラトビア語が不自然だったから彼の家族にはなかなか素直に受け入れてもらえなかったのよ。」

・「静かで、だけど親しくはなり易い。でも、顔つきは険しいというか怒っているよう。日本人は無表情の人が多いと聞くね。」

・「ふーむ。例えば、ぼくはフランスのアメリカンスクールに通っていた。そこではティーンエイジャーの若者は“もう十分な大人の振る舞いをしなさい”と教えられ、しかし同時に、子供のように扱われた。でも、ここラトビアでは逆。“君たちはまだまだ子供だ”と教わり、大人扱いされる。これが決定的な違い。面白くもある。ー(同世代は互いにどのように接してるの?子どもとしてみる?大人?)ー面白いことを言うな(v。)。そうだな、ぼく自身はどちらでもない。奇妙だろうが、ぼくは他人を敵と見ている。もちろん、真意は違う。例えば、敵と交渉するときどういう心構えでいる?少しでも関係を良くしたほうがいいだろう?そういう意味だ。たとえ友人でも、ぼくは関係向上を怠らないよ。」んーかっこいい。

・「ラトビアの料理はヨーロッパで一番おいしいと思います。それから伝統的なビールも。そして、ラトビア人はフレンドリーだと思う。質問があれば基本的にはどんなことにも答えるし。」

・「冷たくて、少なくともフレンドリーではないわね。もちろん、これは人によってバラバラだし、個人的にはトータルで見た場合、そうは思わないわ。でも、気難しいのは確かかも。気候と一緒なのかしらね。でも、人をもてなすことは好きだし、夕食にこうして招いたりすることもよくあるわ。(筆者はディナーをごちそうになった。冗談抜きでバルトで一番美味しい料理を頂いた。ホームメイドのアップルジュースが出てくるなど盛大なおもてなしだった。)もしかしたら、こういうのは歴史によるのかもね。最初にドイツ軍がやってきて(例;ハンザ同盟など)次にロシアが占領して。バルト一帯に言えることだけど、リトアニアは一時期王国があったから誇れるわね。」

・「ぼくは、気難しいのではなくて互いに信用するのにただ時間がかかるのだと思う。正直すぎるというのも悪いふうに作用しているのかもね。」

・「あとこれはラトビアに限ったことではないけど、東欧に共通するのはお酒に強く、依存している人が 割合多いということね。ちなみにビールが一番標準よ。」

・「家でじっとしていることが苦手な人が多いかな。」

・「優しくて、自国の文化が好きで、それを守ることを大切にしている。」

 

 

                リトアニア人との違いを挙げよ、となったら、肌感覚ではより思慮深いのがラトビア人だろう。たまたま、インタビューした人たちにそういう人が多かったという偶然を今は考えないとしたら(これを考慮すると何も言えないので今後も考慮しない)、ラトビア人のほうが分析的であるように感じた。

 

               

2 「週末は何をして過ごしていますか

_____________________________________

・「友人はバーやクラブに行って過ごしているわね。もちろん、そうでない人もいて読書に耽る人もいる。私は事業を持っているからそれに割くことが多いわね。あとは彼とワイン飲んだりボードゲームしたりするのが好き。」

・「人が苦手だから、絵を書いたり、映画見たり、日本語勉強したり。」

・「変な性格の持ち主でさ、1人で部屋にいることが多いんだが、同時に罪悪感を感じるんだ。例えばジムに行くだとか、新しい人と出会うべきだって。」

・「アルバイトしてる。(観光業の手伝い)」

・「交友関係(Social group)によるね。そこまで教養が高くない集団ならお酒。あとは、君の趣味による。まあ、一般的に広く言えるのはお店を予約して皆で飲むことだけどね。」

・「ー(1人で過ごすこと、友人で過ごすこと、または家族で過ごすこと、どれが一番多いですか?)ー休暇の期間によるね。普通の週末だと家族で過ごすことが日常で、長期だと友人と旅に出かけるかな。」

・「友達と会って、飲んだり、散歩したり。ただ、歩くだけで旧市街に行くこともしばしばよ。」

 

 

大学生ともなると一人暮らしが多いため、週末を家族と過ごすなんてことはまずない。家族と過ごしているぼくでもない。しかし、ヨーロッパではそれが普通であることが多い。それがずっと不思議でならなかった。それが今回質問1の回答者#1の答えでようやくすっきりした。欧州は多文化国家なのだ。その意味は、家族レベルで第一主要言語が異なることが多いということ。そんな彼らにしてみれば家、家族というのは安心感を与えてくれるシェルターで、外、社会は異文化なのだ。単一民族であるぼくらとは違うのだ。だから、留学に来て同人種で固まってしまうアジア人はこうした背景があるのだろう。欧州の人たちからしてみれば異文化なんて外の世界の日常茶飯事のことなので、たかが国が変わったくらいで状況はいつもと変わらないのかもしれない。反対に単一民族が多いアジア人はまるっきり異文化の世界で戸惑うのだ。

 

3 「日頃何に不安を感じますか

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・「1人で歩くことね。でも矛盾するかもしれないけど、変に思わないでね、そういう時歩いている人の会話に耳を傾け、話し方や内容を分析するのが好き。周りの人を把握することで危険を回避するという意味に取ってね。」

・「将来のことかな。仕事とか。夜中に1人で歩いていると泥棒に襲われる可能性があること。」

・「失うこと。対象は問わない。」

・「時間に遅れること。夜道を歩くこと。」

・「多くはロシア。ウクライナ、ジョージアのように隣国がやられてる。次はぼくらではないかと怯えている。」

・「でも、最近は移民問題よ。人々の興味関心はこっちにシフトしつつある。」

・「若い世代に共通なのは、高校、大学と進学、卒業しても十分な職がないことだ。そうした教育を受けた成果を発揮する場所が国内に十分にない。だから、人々は国外に行ってしまう。」

・「お金を失うことも怖いわね。最近では大手の銀行が急に潰れて多くの人々が一文無しになった。それが突如現れた。」

・「将来の予定。いい仕事を得るためにはたくさん勉強しないと。仕事を得に、外国に行く人もいるけど、全員ができるわけではない。国内でいいところだと、本当に競争が厳しいから勤勉にならないと。」

・「例えば、周りの友人は自分が行動するほどに変わっていく。そうすると、ふとした瞬間に寂しくなる。実はひとりぼっちなんじゃないかって。ー(ラトビア人にとって外国を1人で旅することはありえない?)ーそうね。そんなに聞かないわね。

 

 

ラトビア人と街を歩いているときこう質問された。「大学を卒業したおれの友人がレストランに就職した。ヒロキ、時給いくらだと思う?1.5ユーロだ。アルバイトと変わらない。店によってはアルバイト以下だ。それでどうやって暮らせと言うんだ。」リトアニアもラトビアも学位のある人がその能力を発揮できる職場が枯渇している。だから、優秀な人は職を求めて外国へ出る。そうなるとbrain drain(頭脳流出)といって自国は益々貧しくなる。貧しいからEUの助成金に頼らなくてはならない。その資金は大国が負担しなければならない。大国にとっても負担である。EUの仕組みの限界がここにある。

 

 

4 「ラトビアは将来どのようになると思いますか

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・「EUの諸問題に悩まされているからね。移民の問題とか。私個人は楽観視していないわよ。より安全な国に行きたいと思っている。ロシア文化が私達の文化を絶やすんじゃないかという危惧もある。」

・「移民問題は怖いわね。それからロシア語の侵略も。ラトビアの小中高は全てラトビア語で教えるべきだという法律がある。今まではあまり順守されてこなかったけど、今日のニュースで今後一層の強化に努めるとあった。」

・「There is no future.ラトビアだけではない、EU全体を見てだ。ー(移民問題のせい?)ーそれは氷山の一角さ。ずっと、背後にマネー問題が忍んでいる。金が人よりも価値を持ち始めているんだ。ー(ラトビアもEUを抜けるべきだと思うか?)ーああ、そう思う。彼らは全てのヨーロッパ諸国は統合のためのピースだと言う。だが、そのパズルには絵がない。真っ白のピースだ。だから、間違ったはめ方をしてしまった。その積み重なった歪みが今、だれの目にも明らかな形となって出てきている。(ちょっと意訳)」

・「国外に生活しているラトビア人が本国に戻ってくることを願うわ。本国の稼ぎが少なくてそういう状況が起きているから。だから、これは希望だけど、経済面で良くなるといいわね。」

・「大きな変化は起こらないと思うわ。もっとも現在移民問題という大きな問題を抱えているけどね。」

・「経済的に豊かになると思う。財政も安定し、政策もより市民に向けたものになるだろう。」

・「ちなみにEUを好きでない人も多いよ。」

・「そんなに変わらないと思うけど。ただ、今までは例えば歌の祭典とかもロシア人の参加が多かったけど、今後は他のヨーロッパ人の割合が大きくなると思う。それからユーロを導入したことの歪が今後出てくるかもね*1」

 

*1−ラトビア、ユーロ導入は2014年元日。リトアニア、ユーロ導入は2015年元日。

 

“危惧”が大半を占める。それは日本の将来についても同じ。明るい大きな未来図をどーんと描ける優れたリーダーが少ないという共通点も一緒なのかもしれない。同じ質問をアメリカやイギリスで行ったら彼らはなんと答えるのだろうか。世界のリーダーとして情けないことは言えないという気概が国民レベルであるものだろうか。

 

 

5 「ロシアはどのように感じますか

_____________________________________

・「ロシア人の友達はたくさんいるけどいい人よ。国については言葉を失くすけど、人々はいい人よ。もっと言えば、ラトビアはアメリカ(駐在アメリカ軍)とロシアの狭間にいる。怖いわね。」

・「広くて、寒い。人も冷たくて、喧嘩っ速い。アグレッシブ。ー(ロシアと戦争は起きると思いますか?)ー起こらない、というかラトビアは小さい国だから相手にされない、相手にならないと思う。」

・「ロシアについて?はは。本が書けるほど長くなるぜ。例えば、ぼくの彼女はロシア語系の家に生まれた。それでも、ラトビア人に変わりはない。しかし、周りにはよく思わない人もいる。一度もロシアを訪れたことのない人々が僕たちを忌み嫌う。僕だってロシアの国そのものはよくは思っていない。けど、だからといって人は違う。いいやつが多いのも事実。」

・「戦争を仕掛ける国は2つに分けられる。なにかわかるか?多くを持っている国と失うものを何も持っていない国だ。そしてロシアは今、その後者にいる。」

・「ラトビア人にもいい人と悪い人がいるようにロシア人も同じ。昔悪いことがあったけど、今はそんな頻繁に問題は起きない。日本人と韓国人の関係と似ていると思うよ。そして、ロシア人も世界で最も温かいハートの持ち主よ。政治についてはいいとは思わないけど。あと、ロシア語のジョークはちょー面白い!英語よりもラトビア語よりも。」

・「大統領のことをよく理解もしないでいる熱狂的なファンの存在は怖いわね。」

・「私個人がどうというわけではないけど、サンクトにいた時、周りの人が私達がラトビアから来たとわかると態度がルーズになったわね。私達もロシア語を話すけど、発音が違うから、彼らからしてみればロシア人でないってすぐわかるのでしょうね。」

 

 

例えば、もしロシアのウラル山脈西側がEUに加盟したらこうした互いの印象は改善するだろうか。若い世代にもある不和は、歴史的背景よりも経済的背景が強いように感じる。現在のルーブル状況ではロシアがEUに加盟できると思えないが、貧しい東欧にとっては割高なユーロよりもウラル地域と共同の市場を持ったほうが本当は望ましいのではないのか。そんなことを思い、また願ってしまう。過去の軋轢を克服できないだろうか。

 

 

6 「ラトビアにとって最良のパートナー国はどこですか

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・「リトアニアやエストニアのことをシスターと呼び合うわね。ー(エストニア人とリトアニア人へのイメージは同じですか、違いますか?)ーもちろん違うわ。エストニア人はスマートね。リトアニア人はもっと内向きね。もっとも昔はエストニア人のことを“のろま”と揶揄してたけど。

・「リトアニアかな。詳しくは知らないけど。」

・「皮肉かな。ロシアだろう。良くも悪くもこの国はロシアとの“相互関係”が作ってきた。もし、いい意味でという制約ならそれは欧州連合の理念に沿って、その加盟国全てというべきだな。」

・「アメリカが実質的にはそうかな。国を守ってくれているし。」

・「エストニアとは好敵手って位置づけだね。悔しいが彼らは常にラトビアの前にいる。」

・「広く言えばバルト。我々は共同で軍事訓練も行ってきている。」

・「歴史的にはバルト三国よ。独立のための人間の鎖とか*2。パートナーとなったら、ロシアかもね。輸入品の多くはロシアからだし。」

・「大学レベルに限って言えば、最近は日本からの交換留学生や交流事業が増えているわね。」

 

*2−1989年8月、ソビエト連邦からの独立を訴えるために市民が行ったデモ。リトアニアの首都ヴィリニュスからエストニアの首都タリンまでの600kmを市民が両手をつなぎ、途切れることなく人間の鎖を形成した。

 

                物価的にはバルトでは北に上がるほど高くなる。つまり、国家的にはエストニアが一番発展している。ちなみに旧市街はリガが最も歴史古く大きくメルヘンチック。タリンは城壁に囲まれ中世の風が吹く。この2つはハンザ同盟国。ヴィリニュスは最も綺麗だが小さい。ここは元ポーランド領とあって他の旧市街とは少し色が違う。わかりやすいのは料理でじゃがいもが主流。

 

 

7 「ラトビアでガイドブックには載っていない有名事項はなんですか

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・「リガのセンターはパーティーゾーン。お店がたくさんあり、歴史的建造物も多い。あとは森や川が広がっている。けれども、これもリガ。」

・「はちみつビールはラトビア人もみんな好き。旧市街のガイドツアーに参加するといいよ。ラトビア人にも知らないことがたくさんあるから、私達もさんかしたりする。」

・「クリスマスツリーの典型的なやつは16世紀ラトビアで生まれたんだぜ。そして、国旗の考えもこの国が発祥と言われている。兵士が白い旗の上で戦死した。あとはわかるな?ロケットのエンジンもこく国発祥と言われている。ハンザ同盟の影響かもな。」

・「ガイドブックを知らないので私の故郷ユールマラについて。ユールマラはラトビアで一番綺麗なリゾートでバルト海を見渡せる。有名な作家の生家も見れるわ。」

・「正確には覚えていないけど首都リガがどのように作られたのかに関する伝説があったわね。確か毎年ダウガワ川から悪魔が現れ“リガよ、準備はできているか?”と問い、“準備出来ている”と答えると悪魔は消え去る。そういえば聖ペテロ教会の頂点に位置するおんどりとこの伝説何か関係があったわね。覚えてる?ーノン*3。」

・「ビーチも素敵よ。ユールマラは観光地だから来んでるので地元の人は行かないわね。笑。夏とか特に素敵よ。ビーチは西に面しているから深夜まで太陽が照り、そして沈む様子を見れるわ。それはとてもとてもロマンチックよ。」

・「ガイドブックは首都のリガやリゾート地ユールマラがほとんどでしょ?当たり前だけど、日本だって東京だけじゃないでしょ?それと一緒。」

 

*3−調べてみた所、日本語のサイトでは見つからなかったのですが、こちらのサイトに拠ると、おんどりには3つの役目があり1)伝説の悪魔を追い払うためであり彼の明朝の鳴き声がその役目を果たした。より遠くまで響き渡るようにするため町で一番高いところに設置されたとのこと。2)風見鶏の役目。ダウガワ川はとても大きい川なので当時は帆船が行き来しており、そのため風向の把握は航海において重要なものであった。3)塔の現場責任者が完成記念におんどりにまたがりグラスワインを飲み、そのグラスを落とし、割れた破片の数だけ塔が存続するという占い。

1),2)は関係がありそうですね。おそらく2)がありきで1)の伝説が生まれたのだと思います。おんどりは金色なので朝日に照らされたそれはさぞ燦々と輝くものでそれが悪魔を追い払う役目を連想させたのではないでしょうか。ちなみに、リガでおんどりと言いますと有名なブレーメンの音楽隊を思い出させます。ドイツのブレーメン市とリガは姉妹都市であり、ハンザ同盟国でもあります。音楽隊の銅像はこの聖ペテロ教会の足元にあります。ちなみにリガでの音楽隊は各動物の鼻を、ブレーメンではロバの足を触ると幸運が訪れるそうです。筆者は両方触りました。確かに効果ありです!←なお、両市は橋のある地点から見ると、その街の構造がほぼ似ているので心躍りますよ。こんなにも似ているのか!って。当時のドイツ騎士団も故郷がさびしかったのかなという哀愁に耽けれます。笑。

 

 

blemen riga 

 

 

 

左:リガ  

右:ドイツ、ブレーメン    いずれも筆者が撮影

 

                リトアニアの時よりも明るい。笑。ちなみに僕はこのバルトの地に来る前はビールが苦手だったのですが、ここのハニービールやチェリービールと出会い、その美味しさに感激し、徐々に苦手を克服しました。というより、今はハマりました。特にこの地は種類が豊富で、特に黒ビールが種類も味も富んでおり、素晴らしいの一言です。個人的にはチェコもドイツも旅したのですが、バルトのビールの方が好きですね。安いですし。500mlお店でもリガは2.5〜3ユーロ。リトアニアなら2ユーロ切ります。

 

 

8 「将来どの国で働き、また暮らしたいですか

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・「日本よ。日本語の音が好き。文化も好き。治安もいいし。家族ごと引っ越したいわね。機会が合ったら大学卒業後すぐに住みたいわ。(日本語学科の人)」

・「ラトビア、韓国、日本の3つならどこでもいい。仕事は絵描きのフリーランスになりたいから場所は選ばないわね。(日本に留学した経験がある人)」

・「たくさん外国にも行った。その度にラトビアが恋しくなったのは事実。でも、わからない。今日本という国が目の前にある。(彼は4月から筑波大学にて勉強)。大きな変化が起こる気がしている。ー(住居はどこに構えたいですか?ラトビア?)ーわからない。国際情勢も国内政治状況も危機にある。ロシアは乗っ取ろうとしているし、テロリズムが蔓延っている。なにも起こらない、極めて安全だとわかれば、生まれ故郷であるこの国に住みたい。(日本語学科の人)」

・「日本で仕事して住んでみたい。(日本語学科の人)結婚生活も子育ての地としても。」

・「デンマークね。個人的に好きなの。初めてそこの土地を訪れた時、なつかしい感じを受けたのを覚えているわ。きっと幼少の時から憧れ続けた理想郷に最も近いのでしょうね。」

・「正直おれは軍人だから、他の国での生活とか想像もつかない。あ、南アメリカのジャングルでの生活なら想像つくかな。笑。」

・「国内で仕事が見つかればベストだけど難しいわね。仕事は見つからないわけではないけど、それは私がつきたい仕事ではないでしょうね。住むところは、理想は世界を転々としていたい。」

 

 

                日本語学科の人が多かったという理由もありますが、日本人気ですね。移民を労働力に当てようという意見がありますが、知識労働者としても日本で働きたい人は多いんじゃないですかね。

 

 

9 「日本について知っていることを教えてくださいor日本に期待することはなんですか

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・「(後者)様々な新しい物事を捉える視点をくれることね。」

・「(後者)中高での英語教育でもっと発音を重視すべきよね。もっと外国人に優しくなると思う。」

・「(前者)多くの国では人々は自分のために働く。だが、日本人は企業や商品の信頼向上のために働くと聞いた。すげぇじゃねぇか。それは我々ヨーロッパが失ってしまった精神だ。その精神のため日本人は“和”を、協力をする。それが、レボリューションを生む。そう聞いた。立派だと思う。」

・「(後者)技術面ではすでに国際的な役割を果たしていると思うわ。でも、政治面ではどうかな。アジアの関係でもめているようだし。その調整かな。」

・「(前者)日本人は日本人であることに誇りを持っている。優れた技術もある。」

・「(後者)インターナショナル(多文化の意味)に優しくなってほしいわ。ヨーロッパの文化だけではなく多くの異文化と共存して欲しい。東京だけでなく日本全体が。東京はオリンピックもあり変わりつつあるけど、大阪とかは頑固でしょ?」

・「(前者)日本人は頭が良くて、盗みとかも少なく、治安が良い。年配者に優しい。たくさんの国民の休日、お祭りがある。こっちの人からしてみれば、日本は“未来の国”という認識よ。ロボットとか。wi-fi環境を除いて。」

 

意見は最後に。

 

 

10 「今欲しい物はなんですか

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・「物ではないけど、あなたに感謝したいわ。示唆に富む面白い質問を用意してくれたこととリガまで来てくれたことに。」ー惚れた。

・「日本へのチケット。」

・「自分自身への投資。技術アップも精神力を鍛えることも。」

・「毎日日本に戻りたいと思ってる。仕事したり、勉強したり。だから、そのチャンス。あとは、ユールマラと日本の市町村と姉妹関係を結びたいと思っている。」

・「いつか日本にも行ってみたいわね。ヨーロッパを巡り終わった後に。」

・「一番は大学の卒業証書。笑。あとは、幸福かな。ー(どういう時が幸福?)ー家族の人がハッピーなとき。」

・「よりバックグランドに富んだ友達。」

 

 

11  「“クールジャパン”と聞いて何を連想しますか

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・「多彩で豊富なライフスタイル。」

・「オシャレとかかな。最近流行りのラーメン屋とか?笑」

・「日本はアイデアをいろんな国から吸収して、それを自分たち流にカスタマイズして新しいものにしてしまう。これがクールさ。」

・「何か新しい物を生みだすこと。あと、写真を取るときのピースポーズ笑」

・「技術をベースとした大人向けのエンターテイメントとコミックをベースとした子供向けのエンターテイメントの存在。もれた人を出さない仕組み。」

・「“クール”は何か“特別”を意味しそうね。エキサイティングとか。例えば、他の国には内容なものね。ディズニーランドとか。犬カフェ、猫カフェとか。最近ではたぬきカフェとか聞いたわ。あとは水族館でサメに触れるのもクールね。」

 

 

番外編1 「K-POPとJ-POPの違いはなんですか

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曲のスタイル。まずK-POPアーティストのほうがイケメンね。それから筋肉質。ダンスもキレが良くてうまい。どことなくアメリカンスタイルと似ているけど、それでいて独自のスタイルを生み出している。日本だと王座が強すぎない?女子ならAKBで、男子だと嵐。あまりにも強すぎるから下が育たない。

 

 

番外編2 「日本、あるいは日本人に何かアドバイスしてみてください

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常に笑顔でいるのは良くないわ。例えばティッシュ配りにしても、疲れているはずなのにいつも笑顔。もちろん、接客として笑顔の大切さはわかる。でも、それが過酷労働に無意識に追いやっているのでしょう?疲れているのなら疲れている表情見せたっていいじゃない。受け取る側もそれくらいわかるわよ。逆に疲れているはずなのに、笑顔で来られると気持ち悪いって、裏になにかあるって外国人は考えるのよ(日本への留学経験がある方)。

問題が深刻になるまで助けを求めない風潮もあるでしょ?それも変よ。小さいことでいいから、どんどん悩みを打ち明けるべきだわ。深刻になってから白状されても、こっちだって何もできないじゃない!

 

 

至極最もで、ぜひ広げるべき価値観だと信じる。人の手を借りない、人様に迷惑をかけない。それが日本人の昔からの精神であるのは間違いないと思うし、変に器用なところもあって、その精神がたとえ外国でも通用してしまう。問題が起きても、大抵なんとかしてしまうだけの能力は日本人にはある。これはぼくだけではなく、同期や先輩の話を聞いても同じ。そして、残念ながらこれが留学失敗の1つの要因になってしまうこともある。1人で何でもやっちゃうから、他の人と協働することなく、従って本当の信頼関係を築けないままで終わってしまう。これは、国単位で見た場合も同じだと思う。本当に対等な関係で外交を結んでいる国が果たしていくつあるのか。それが諸外国よりも少ない原因は自分たちにあるのではないか。国際社会はなにを僕たちに求めているのか。1人で平静と突っ走るリーダーより、困っている顔を見せ頼ってくれるフレンドだと感じた。

 

 

 

調査を終えて

EUが張り裂けるメキメキという音を聞いた気がした。

リトアニア人に調査した時と比べて決定的に違うのはEUの状況が顕著に悪化していること。相次ぐテロ、移民問題にいくつかの国で一時的に国境を再開している。EUの基盤、シェンゲン協定はそうした国境を廃止し、ヒト、モノ、カネが自由に行き来でいるようにして統一市場を獲得しよEUいうものであった。それが今、崩壊の帰途にある。加えてイギリスのEU離脱の懸念。

 

「もし、イギリスがEU離脱を成功したら次はどこの国が続くと思いますか?」

ー「フランス。十分な国内市場を持ち、大金を支払わされている国が居残る必要はあるのか?。それからポーランド。あの国は頑なに移民受け入れを拒んでいる。そして、我々バルトを含む東欧も同じ。」

 

個人的に付け加えるなら先のEU首脳会談でイギリスがEU残留の場合特待されることが合意されたが、果たしてそれでゲルマン人の誇りは保てるのか。ドイツ国民は納得なのか。寛大な移民政策を施し、その移民に裏切られたドイツは今なにを考えているのか。パナマ文書の出現で残留サイドのキャメロン首相は追い風。北欧の裕福な非ユーロ導入国は諸問題を見てみぬふり。相変わらず不透明感が漂う南欧の財政。西は抜けると言い、南は助けてと言い、東は懐疑的な目を向け、北は目をそらす。国だけでない、市民レベルで不安材料は広がっている。

 

途中話に出てきた時給1.5ユーロの件は極端であるが、知り合いでもやっぱり正社員で3ユーロと聞く。平均月収は大体10万円。日本の大卒平均月収はその2倍は超える。物価は安いが、かと言って半額というわけではない。レストランでは日本と変わらないし、家賃もほぼ同額支払っている。

 

東欧という国は日本では、中世の様子が色濃く残る最後のヨーロッパとして紹介されている。おまけに安く回れると。そのとおりだと思う。どこも街の規模は小さいが昔ながらの伝統工芸品が街の雰囲気にマッチしていて、店員さんも伝統服を着たりとタイムスリップした印象を受ける。2人でお酒だけ注文してもチャージ料がないから10ユーロで済ますこともできる。旅行者ならちょっと言葉が不便な点と派手さに欠けることに目を瞑れば天国とも言える。雰囲気にお酒によって夢見心地でおさらばできる。

 

しかし、なぜこんなにも安いんだと疑問を抱くと、すぐにその裏側が見て取れる。疲れてチェーンのカフェに入ると意外にも若いカップルが多く、長時間いることに気づく。別にカップルでカフェに行くこと自体はありふれているが、ここのそれは少し違うとわかる。明らかに長い。なぜか。他に遊ぶ場所もなければ、遊ぶお金もないから。

 

そんな彼らからすれば、日本こそが天国に見えるのだろう。仕事もある。給料もいい。娯楽に溢れ飽きない。生活水準も高い。安全。

 

だが、しかし。

 

ぼくらは天国にいることに気づかない。そう指摘されても、おおそうか!、とはならない。

 

 

*この続きはインタビューエストニア編を終えた後で、バルト三国まとめ編にて。夏の予定です。

 

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