現在、ナルホース大学に留学中 人文学類4年 中川雄太

 

日本では旧正月を意識することはあまりありませんよね。

旧正月は、新暦(一般にグレゴリオ暦を指す)ではなく、旧暦(一般にグレゴリオ暦以前に使われていた暦法)に基づいた正月のことを指します。今年の日本の旧正月は2月8日であったようなのですが、皆さんご存じでしたでしょうか。日本でそれを意識していた方は少ないのではないのでしょうか。僕自身、日本で生活していて旧正月を意識したことはあまりなかったと思います。

しかし、日本を除く東アジア、また一部の東南アジア地域には旧正月を意識してそれを祝う国が多いようです。例えばお隣の韓国、中国では旧正月は国民の休日となり、各々のやり方で旧正月の到来を祝います。中央アジア地域に位置するカザフスタンもこの例外ではありません。カザフスタンにおける旧正月は「ナウルーズ( Наурыз )」と呼ばれています。このナウルーズと言われる旧正月は太陽暦の一種(イラン暦)に基づいており、カザフスタンのみならず中央アジアを含め広い地域で祝日とされているようです。今年、カザフスタンではナウルーズを祝うために3月19日から3月23日が国民の休日となりました。

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このナウルーズの休日に街に出てみると、そこかしこでお祝いムードを感じることができます。例えば、知人どうしが会った時に「ナウルーズおめでとう」という声を掛け合っているところを見ましたし、日頃通っているトレーニングジムのフロントでは、やはりナウルーズを祝ってか、カザフスタンの伝統的料理バルサックが振る舞われていました。日本とは旧正月に対する意識が違うようです。

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またこの一連の休日の中日3月21日には、自分が滞在しているアルマティ市でも同時に合計8ヶ所でナウルーズ関連のイベントが行われたようです。自分は「アスタナ広場( Площать Астана )」というところで行われたナウルーズ関連のイベントを前日準備を含めて見に行きました。
今年は何やらアルマティ市が誕生して1000周年の年らしく、イベント会場には大規模なステージが用意され、その力の入れようが伝わってきました。自分がこのアルマティに滞在し始めてもう7ヶ月になりますが、これほどの大規模なイベント会場を見たのは初めてだったかと思います。すでに前日準備の段階で、踊り子の方々のリハーサルを見たり、展示物のユルタ(遊牧民の移動式住居)の前で写真を撮っている人の姿が見受けられました。

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そして当日の人の集まり具合と言ったら、それは相当なものでした。ステージの近くでは身動きが取れないほど…。ステージ上では歌手や楽器の演奏家が会場を盛り上げ、さらにカザフスタンで暮らしている様々な民族の伝統舞踊が披露されていました。この民族舞踊についてなのですが、カザフ民族だけでなく、各民族の舞踊が披露されていたところにカザフスタンの寛容な民族政策が感じられました。全ての民族の文化を尊重する姿勢の表れなのでしょうか。他の中央アジア諸国では、また状況が異なってくるかと思われます。

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また、ナウルーズと言って忘れてはいけないのは「ナウルーズクジェ( Наурыз-коже )」です。これはカザフスタンの伝統料理の1つで、その名の通りナウルーズを祝うために作られます。お粥の一種なのですが、一般的なお粥とは違って非常に調理に手間が掛かります。
まず始めに馬肉などを数時間煮込む必要があります。その後、その煮汁で数種類の茹でてある穀物を細かく刻んだ先ほどの肉と共にさらに煮込みます。またこの時大切なのは、これらの食材が合計7種類になることだとか…。この7という数字には「幸福を呼び込む」力があるのだそうです。(7という数字がもてはやされるのは万国共通なのかもしれませんね。)そして、調味料、香辛料、さらに先月のレポートで紹介したようなアイランやクルトなどの乳製品を加えてもう少し煮込むと出来上がります。(食べられる時期は違いますが、日本で言うところの七草粥のようなものでしょうか。ちなみに日本ではセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの春の七草を細かく刻んで穀物と一緒に煮た粥を、おおよそ毎年1月7日に食べるそうで、これには健康祈願の意味合いがあるそうです。恥ずかしながら自分は食べたことがありません。…本題に戻ります。)
しかし、このナウルーズクジェ、基本的な調理方法は共有されているのですが、日本の七草粥とは違って入れるべき食材がはっきりと決められているわけではありません。合計7種類であることが大切なのだそうで、ナウルーズクジェの味はその調理者によってだいぶ違ってくるようです。実際自分は3つのナウルーズクジェを食べてみることができましたが、温かいものもあれば、冷たいものもありますし、塩辛いものもあれば、すっぱいものあるといった感じです。

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なお、ナウルーズの際には大きな広場や公園の近くに行けば路上でクジェが売られているので、手軽に楽しむことができます。蛇足ながら、値段は300~600テンゲ(現在のレートで90~270円)程です。

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圧倒的な存在感を示すカザフスタンの旧正月「ナウルーズ」、皆さんにも一度は生で体験して頂きたいところです!!
お読み頂き、ありがとうございました。

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