国際総合学類 4年次3年 神長 広樹

2016年3月30日から4月3日にかけて、リトアニアの首都ヴィリニュスにおいて、European Youth Parliament(欧州青年会議。以下EYPと略)が開かれました。これら欧州全土から主に高校生、大学生といった若者が集まり、“今”の欧州で起きている諸問題を話し合い、解決策を練るものです。欧州全土と言っても、各地域で頻繁に開催されるので、参加者は大体がリトアニア人でした。大学の留学生が集うFacebookページで参加者を募っており、「参加しませんか?」と問われたので、参加しました。以前の記事の通り、“基本イエスマン”で生きているので、わけわからないものには「なんだろうな?」ととりあえず付いていくタイプです。

 

それでは始めに、4日間の内容を写真と共にざっくりと紹介したいと思います。

 

ーDAY1ー

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参加者は主にリトアニア人、遠いところでイギリスが2人、ドイツ、フィンランド、スペイン。参加者が30名強、スタッフが10名強です。

1日目は、全体の親睦を深めるためのボディコミュニケーションゲーム、事前のアンケートにて審議したい内容ごとに決定したグループ間の同じくゲームが中心でした。写真は全体のものです。全員で輪になり、中央に2人添えて、彼らの演技を真似るという遊びです。小さな広場のど真ん中で叫びながらやるのですが、恥ずかしがっていては始まらない。如何に馬鹿になれるか。けっこう参加者は戸惑いがなかったように感じました。

グループ間では、スパゲッティとマシュマロを使ってより高い“構造物”を建てたり(食べ物で遊ぶなと怒られそうですが)、5人(ぼくのグループ)で仮想コミュニティを作り、コミュニティで稼いだ金額をどう個人に分配するか(個人はそれぞれ“農民”のような役目が与えられている)を話しあったりしました。

 

ーDAY 2ー

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ぼくのグループはEU経済がテーマです。与えられた課題がこちら。
「“It’s a recession when your neighbour loses his job;

it’s a depression when you lose your own.”

Considering the economic potential of a free movement zone, how can the European Union take advantage of the Schengen Agreement to foster innovation and economic cooperation between Member

States?」

要点は「シェンゲン協定の有利さを活かして、EU経済を活性化させよ」です。2日目のこの日は、EU経済の現状を話し合いました。

 

ーDAY 3ー

2日目の課題点をもとに解決策を考えます。

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ーDAY 4ー

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最終日の今日は、今まで話しあったものを文書にまとめ、それを発表し、審議します。「これについてのさらなる説明を求める」、「この点はこの点と矛盾するが、どうか?」などといった、さながら国会の様子でした。これが“欧州青年会議”です。参加者の過半数の承認を経て、自分たちの案が可決されます。

 

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もう少し詳しく見て行きましょう。

会議のセクションは以下の通りです。(以下、英語文略。筆者意訳)

・経済部門「シェンゲン協定の有利さを活かして、EU経済を活性化させよ。」

 

・安全部門「(テロリズムの台頭を受け)域内移動自由の原則と安全面の両立を模索せよ。」

 

・開発部門「(2015年持続的な開発目標は一部しか達成されていない。これを踏まえ)2030年持続的な開発目標達成のためEU諸国が成すべきことを提示せよ。」

 

・社会部門「(EUが多民族国家であることを踏まえ)トランスジェンダーの権利を擁護するためにEUの方針を掲げよ。」

 

・政治部門「政治に若者の声が反映されていない現状を打破せよ。」

 

・人権部門「(移民流入問題を受け)民主的市民権、人権、自由の発展を確立せよ。」

 

どうでしょう。日本でも高校生、大学生を主体とした日本全土の問題を論議し合う場所って全国的にあるのでしょうか。ビジネスや地域開発コンテストの類はありますが、ぼくは存じ上げないです。しかも、こちらのEYPは賞金はおろか、参加費がかかります。お金(と言っても4日間で25ユーロですが)払ってでも、EUの今と未来について志同じくする者と価値ある議論をしたいという熱がそこにはありました。17歳だとわからないほどの知性と自信を持った人もいれば、年長ほどユーモアに溢れ、ハーモニーを生み出そうとする人々もいた。かっこよかった。

 

自国の現状、政治状況、歴史を言ったものを両肩に携え、しかし胸を張り、隣国の実情に憂い、域内の反対側の国について熱く討議する。時に対立しあっても、休憩時間となれば、「コーヒーでも飲みに行きましょ」と一緒に出かける。正直全然戦力になった実感がないけど、それでも唯一の“アジア人”として、重宝された。終わった後は非常に清々しかった。

 

本気の英語を見た。素晴らしく堂々とスピーチするものの英語は、やはりびっくりするほど堂々とした発音であった。最終提出文章の推敲は2時間かけていた。一語一語のニュアンス、表現方法など自分が今まで書いてきた英文はお子様レベルだったんだと恥かし目を受けるほどにしっかりとしていた。あんな風に英語って推敲するんだと感嘆した。

 

EUはかつてないほど揺らいている、らしい。確かにラトビアの彼は非常に憂いていた。自国とEUと将来の関係について真剣であった。このような人もいれば、そんなことには陥らせないと立ち上がる若者もけっこういる。聞けば、このEYPのようは青年会議は国を選ばなければEU全土で毎週のようにあるらしい。つまり、それだけの参加者がいる。

 

「6月末にラトビアでもうちょっと大きいのがあるから来いよ!」と3人に誘われた。

「ごめん。その時はタリンでサマースクールなんだ。」

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